⑨ 就職活動 実践2 ~ クローズでの応募 ~

  いよいよ面接の本番がやってきました。それまでに事前準備はしました が、いざ生の社会人に触れる機会でどうなるか。時間に合わせ、A 社の面接に行きました。正直なところ、その会社に合格するかしないかはどうでもよく、自分が社会人の圧に耐えられるか、あいさつなど所作や受け答え がきちんとできるかを試そうと、それだけわかれば十分と思っていました。
  A社では疾病のことを伏せた、クローズでの応募(健常者としての応募) です。言わなければ、だれも気付かない、という状況でした。
  実際に面接を行ったところ、質問の内容はともかく、社会人との会話を することができたという感触でした。これは大きい。会社に受かるか受か らないは問題ではなく、人としてまず通じるかどうか、これが大事でした。 このままなら行けるぞ、と思いました。結果はXでしたが、自分としてはあまり問題ではありませんでした。

  続いて、やはりクローズの B 社に面接に行きました。小さな会社でしたが、面接で普通に受け答えができ、面接中から「受かる」という手ごたえがありました。結果は0。そこの会社からは「数年勤務してもらったら、リーダーシップを存分に発揮してもらいたい」などと、ずいぶんあおられました。しかしそこは冷静に「少し考えさせてください」と申し出ました。

  2社とも家から電車で数駅の会社でした。対人対応に手ごたえがあり、満足していました。ところが…、まてよ。毎日電車通勤ができるか…。そして、クローズでの応募って、要は疾病を隠し通してうそをつき続けることだよね?などと、悩みながら帰りました。
  家に帰ってしばらく考えましたが、かなり長い間、休職していた自分が いきなり満員電車で毎日通えるか…。考えた結果、クローズでの応募(即 戦力で疾病を隠して勤務)することは得策ではなく、また、長距離の満員 電車での毎日の通勤は「今は」できないな、という結論に至りました。
  表向きの結果は良いけれども、就職することがゴールではなく、定着す ることがゴールであるとあらためて気づかされました。よって、これはほ かの方法を考えなければいけない、と思うようになりました。具体的には、 疾病をオープンにした応募か、就労移行支援施設と就職の間にもう 1 ステップ就業教育訓練の場を入れるか、考えるようになりました。
  率直な気持ちとして「振り出しに戻る」感でいっぱいになり、途方に暮れかけていました。

就労移行支援施設利用体験記について

他の章を読みたい方は下記リンクをクリックしてください。

就労移行支援施設利用体験記