④ 回った施設 その 3 ~ 就労移行支援施設 ~
デイケア、地域包括支援センターを回って思ったことは、自分にとって
ここは日中の時間を自分のペースで過ごすところであって、お金を得る ための何かを産み出すトレーニングをするところではなさそうだ」
という ことでした。
働くことはそれなりのストレスや負荷がかかるので、日中自分のペースで過ごすだけでは、今の(その時点での)トレーニングにはならないと思えるようになりました。
そこで次の目標は、就労移行支援施設だと見えてきました。しかし、一 人で行くのには非常にハードルが高いと感じていました。回った施設は全部で 3 か所。自分で行けるところは一人で行きましたが、本命の施設には「生活再建•就労サポートセンター」の担当者の方に同行をしてもらいました。

大手、公共、ベンチャー、様々でした。しばらく悩んだのですが、最終的に選んだ決め手は、うつ•気分障害専門の就労移行支援施設というクチコミでした。ベンチャーでしたが、特性を専門に扱っているなら、就職に向けて足がかりになるかもしれない、一歩一歩だと自分に言い聞かせるように少しずつ物事を進めていきました。

暑い夏の日だったと記憶しています。時間を約束して、当日電車に乗り地図を見ながら出かけて行って、新しい場所に踏み込むのはとても勇気のいることでした。きっと働くまでこの緊張を何度か味わうのだろうと思い、貴重な体験だと思うようにしました。
初回の見学では、スタッフの方との面談がありました。支援者以外に初めて社会人との話し合い。とても構えていました。きっと聞かれたことは、体調• 今までの経歴•今後の目標などでしょう。はっきり言って、何を話したか覚えていません。
ところが、口が回り質問に受け答えができ、自分の中で小さな手ごたえ があったことを覚えています。気分は不安でたまりませんでした。世の中 に流されるような感覚、ついていけるかどうかの不安感、あとへは引けな い恐怖感など、複雑な気持ちがたくさん出てきました。それでも一歩前へ 踏み出したのは間違いありません。できた。人と話をすることができた。 それでまず大きな進歩ではないかと思いました。
電車に乗って行き帰り、暉在時間含めて 2 時間程度と思いますが、その日帰宅してぐったりと疲れました。ですが、それまでの自分の日課だけの 生活での疲れとは違い、心地よい疲れだったような気分が残っています。