福祉工場で働くということ。障害者が/障害者と #16「入職後、果たして…?」

コラム16回目画像
担当:日向

  「働きはじめて、その後どう?」。入職してしばらくは、自分のことで精一杯でしたが、数か月経つうちに、少し周りの状況が見えてくるようになりました。自分も社会復帰したばかりで大変なのだけど、周りにも大変な方が多くいらっしゃる…。そこで思ったわけです。「自分にできることって何だろう?」って。
  仕事をするにはコミュニケーションをとらなければならない。色んなハンデをお持ちの方とコミュニケーションをとるには…。そうか、自分が動けば良いんだ。物を運ぶ、ドアを開ける、エレベーターのボタンを押す、手話を覚える。これらがコミュニケーションの手段になるんだ、ということに気がつきました。
  そういうことをやっていくと、最初はお客さん扱いだった中途入社の人間を、快く迎えてくれるようになり、変化が生まれてきました。なるほど、やっぱり自分から動くのって大事ですね。
    ただし、長い間仕事から遠ざかっていたので、体力の落ちは相当なものでした。うちに帰るだけでぐったりすることも多々あり…。少しでも十分に仕事ができるまでに体力を戻そうと、休みの日には1時間ウオーキングを始めるようになりました。
  このまま、上向きになると思いきや…。そう、新型コロナウイルスの猛威による、時短勤務&自宅待機の開始。要するに家にいる時間が増える…。はあ、それはそれで凹むなあ、と。一体何かできることはないかな、なんか勉強するか資格でも取ってみるか、と考えるようになりました。
  私も一応、印刷が本業なので、印刷関連の資格でも探してみるかと思いました。DTPエキスパート。知らなかった、そういうのがあるんですね。テキストを買って、2020年の夏から勉強を始めることにしました。2021年春の試験を目標にして。そして仕事も少しずつやることを増やしてもらえるようになってきました。
  そうこうしているうちに仕事が忙しくなり、いろいろとやることも増えました。上長や同僚からあれこれ指示をもらえるようになり、だんだんと大田福祉工場の仕事にも溶け込めるようになりました。
  一方で少しずつ勉強を重ね、入職していよいよ2回目の春を迎えました。そして2021年春、試験を受け、もう間もなく合否の結果が出るところです。果たして一体、どんな結果が待っていることやら…?

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